メモ:どうやら春になっているようではあるが、なんだか寒い。
モンスターハンター 2020
主演:ミラ・ジョヴォヴィッチ
ストーリー
:ジョヴォヴィッチ姉さん率いる国連連合軍の小隊は、行方不明になった先行部隊を探していた。
そこに突然の嵐。
気が付くと、小隊は砂漠のど真ん中にいた。
呆気にとられながらも移動を開始した小隊は、巨大な骨を発見。
そこに撃ち込まれるペイント弾!
そして一行に襲い掛かるディアブロス!!
わー、あたしたち、モンハンの世界に来ちゃったよー(デビルマン風に)
感想・バレ無し
:ポール・W・S・アンダーソンっていやぁ、私の中ではダメな方のアンダーソン、もしくはアンダーソン君(マトリックスのエージェントスミス風に)と呼んでる監督なんですが、まあ、この人の撮る映画ときたら
怒るに怒れない映画
なんですな。
どーしよーもねー脚本にてんこ盛りの見やすいアクション。
鬱陶しいPV風の演出を入れたかと思えば、LOTRとか好きなんだよねぇとばかりに風景入れてカメラをダイナミックに動かしてみせたりする。
なもんだから、嫁であるジョヴォヴィッチ姉さんのPVとか言われちゃうんだけども、一向に気にすることなくバイオハザードシリーズなんて6本くらい続いちゃってですね、でも最低限の満足感は得られるから、世界興収では結構な数字を出しちゃうわけですね。
で、今作。
アンダーソン君、今回はちょっとヤバいんじゃないのか
って感じです。
もうちょっと言うならば、モンハン知らない人には全く薦められず、モンハン好きにはあまり期待するなと声を大にして言いたいって感じかな。
いや、これはアンダーソン君だけが悪いんじゃなくてですね
モンハンの映画化ってのが、そもそも間違ってたんじゃないかしらって思うんだがねえ。
以下ネタバレ感想
まずは良い所ね。
例えばセット。
砂上船の墓場みたいな場所は、カットによっちゃあ『おお、モンハン!』って所が幾つもある。
岩場の斜面を登る二人とか、モンハンワールドっぽい。
また、ジョヴォヴィッチ姉さんが双剣使いで、スリンガー装備してるってのも、モンハン世界に一般人(まあ、軍人だが)が行ったら短時間で扱えそうな武器として納得できる。(装備はチェーンシリーズか?)
で、恐らくこの映画のメインである、現代兵器vsモンハンのモンスター戦なんだけども、納得はできるレベルでまとめていると思う。
いや、いくらなんでもディアブロス硬すぎるだろうとは思うんだけども、この映画、最近のモンハンと同じで流血表現が無いからね。
一応、手榴弾の直撃で片角が折れたりするんで満足かな、と。
リオレウスが戦車隊を火焔で薙ぎ払うシーンも、うっひょー! ってなもんですわ!
また、ジョヴォヴィッチ姉さんがディアブロスに『乗って』倒すってところや、リオレウスに多分信号弾を使った『即席スリンガー閃光弾』で大ダメージを与えるシーンも中々良い。現実と折り合いをギリギリ付けていると思う。
剥ぎ取りシーンとかあるのかと思ったら、ちゃんとこれまた納得できる理由とレベル(装甲の一部を剥いで、意識を失ったジャーさんを運ぶ橇代わりに使う)でやったりするし、肉焼きもちゃんとやる!
ここまで読んだ方は、あれ? この映画面白いんじゃねーの? って思うでしょ。
でも、ここまでのプラスを相殺する要素が映画に溢れてるんだよねえ。
まずは交流しているのがジャーさんだけってところ。
異世界に行く話は、そこでの多様な交流が面白い物じゃない?
そこからドラマが生まれてくるものじゃない?
それがねーのよ。
塔の調査に向かう砂上船から振り落とされたトニー・ジャーと異世界に飛ばされてきたジョヴォヴィッチ姉さんが紆余曲折を経てハンターとして覚醒し、手を組むってのに大半が費やされてるんですわ。
いやあ……なんというか……
これディアブロスに襲撃されて、村か基地に連れてかれてって流れの方が絶対に良かったと思うぞ。
殴り合いをして、危うい所を助け、チョコあげたら喜んでって流れはこの際目を瞑るけども、それ15分くらいでいいってば。
何泊もすんなよ。
延々と砂漠と岩山とトニー・ジャーしか映ってないから、絵的に面白くないし世界観も判んねえよ。
しかも砂漠を超したらオアシスがあるんだけど、でかい古代樹っポイのがガッツリ生えててさ、ワールドに寄せようとしたんだろうけども失笑しちゃったよ。
ゲームをそのまま映像化して、違和感を覚えさせないのには、尺がいるんだよ。
映画みたいな短い尺だと、現実世界を舞台にしてない限り、素っ頓狂な物にしかならないんだよ。
終盤に突然ロン・パールマンの(多分)大団長が出てきて、英語を喋りだして説明しまくるんだけどさ、それはやっちゃいかんでしょう。
これだったら、村とかで先にこっちに来てた生き残りとかと交流した方がましですわ。そいつらに教わったって、ジャーさんが片言で喋れるとかさ、もっと色々やりようがあったじゃないの?
(この大団長が英語喋れる問題は、ゲームのDLCで一応説明されてんだけども、そのネタを映画にぶち込んだ方が良かったと思う。実はジョヴォヴィッチ姉さんが映画の後にタイムスリップして大団長に英語を教えることになる)
小説や漫画と違って、個人で没入する時間が多いゲームってのは、皆がそれぞれ抱いている映像化の理想像ってのが凄く高いと思うのね。
特にモンハンは作業が多いんで、時間がかかるしね。
で、それを非難が上がることなく映像化するのは、多分長尺でドラマ化するのが良かったのだと思う。(映画のサイレントヒルみたいな例外もあるけどさ)
私としては、モンハンのストーリーモード(とあえて呼ぶけども)の肝は、NPCたちとの交流だと思うのね。
村と基地の周囲に異変が起きた!
原因をハンターに頼んで調査してもらおう!
で、原因と思われるモンスターを狩るも、そのモンスターも実は原因ではなく、更に強大なモンスターが出てくるにあたり、NPCたちはハンターを置いて逃げるという選択を放棄しハンターを送り出す!
ベッタベタでしょ?
でも、これが長時間ゲームをしていると結構グッとくるんだよね。
そういうのが皆無なの。
あとは登場モンスターが少ないんだよねえ。
上記の通り、砂漠~オアシス~塔なんで、出てくるのが
ネルスキュラ(何故か砂漠の地下に大量にいる)
ガレオス(一瞬。しかも食べる。あれ桃ヒレか?)
アイルー(料理長の一匹だけ。いや、これモンハンの売りの一つだぜ? もっと出せばいいじゃん。なんで一匹?)
だけなんだよ。
なんじゃそりゃ。
多種多様なモンスターたちがいるのがモンハンの売りじゃねーの?
そして、マガラさんつったら、ラストよね。
いや、マガラさん出すんなら、ディアブロスが滅茶苦茶凶暴だったのも、まあ理解はできるんだけどもね。(ゴア・マガラは他のモンスターを凶暴化させるウィルスをまき散らす)
それよりなにより、この映画、マガラさんに三人(大団長、ジャーさん、ジョヴォヴィッチ姉さん)が飛び掛かって終わるんだよ。
俺達の戦いはこれからだ―! ってエンドなの。
いやあ、これはないよ。ないない。
しかもご丁寧に、エンドクレジットちょっと流した後、それを見つめる謎のフード(古代竜人か?)と参戦する料理長!
なんだい、これは、アンダーソン君?
私達が喜ぶと思ったのかい、アンダーソン君?
あとはね、ゲームやってる人たちなら一番不満に思う所だと思うけども、属性攻撃無視なのよ。
見栄えがいいからって皆さん、『火』なんすわ。
あと細かい所でいけば、全体重を乗せて相手をぶった切る大剣がちっちぇえとか、トニーさん体術の方が武器よりも強くねえか? とか回復薬らしきものが塗り薬とか、変な宗教とか、毒が透明とか、ディアブロスが突撃を一回しかやらないで潜りっぱなしとか、リオレウスが火球撃たないとか――
まあ、そんなわけで、一体だれに見せたいんだいアンダーソン君? って映画でした。
まあ、アンダーソン君に任せとけば、他に任せて特大の地雷ができるよりましだと判断したんだろうけど、そこそこの地雷になったように思うなあ。
だからして、モンハンやってて、アンダーソン君映画だと理解している人は観ても良いんじゃないでしょうか?
何気にトニーさんが最後に操虫棍もってとびかかってたりして(でも虫はいない)落ち葉拾いのようにネタ探しをする楽しみもあるっちゃーあるよ!
あと受付ジョー役の山崎紘菜はめっちゃ可愛い。
以上!!
しかし、ネルスキュラが人に卵を産み付けるシーンは『ミスト』だし、アプケロス暴走のシーンは『ピージャクのキングコング』だし、ホント、この人自分の映画が無いよなあ。
ちなみに共闘するハンターたちで
MH4とワールドでお馴染みの陽気な推薦組とパートナー(らしき人達)が出てくるんだけども、リオレウス戦で吹っ飛ばされてたっぽい。
あの二人がねぇ……やっぱ元に対するリスペクトが微塵もねえなあww
それと、音楽がね……モンハンっぽい曲、全然流れなかったんだけども、アレンジでなんか流れたのかね?
あと冒頭の砂上船なんだけど、向かい風の中を進んでいた気がするんだが……いや! 気にしないで!
些細な事だからw
とはいえ、モンハン界隈で蛇蝎のように嫌われている受付ジョーが大好きな私としては、山崎紘菜ジョーが最高だったので、嫌いになれない映画であった……ソフト化したら吹き替えは観てみたいですな。