メモ:今年ももう、二か月過ぎているっ!?
リーサル・ストーム 2020
監督:マイケル・ポーリッシュ(ヘルレイザー4の双子の片方だよ!!)
主演:エミール・ハーシュ(スピードレーサー! ジェーンドゥの解剖!! ダーケストアワー!!!)
ケイト・ボスワース(リターンズのロイス!)
デイヴィッド・ザヤス(エクスペンタブルズ1の将軍様ですよ!!)
ウィリアム・キャトレット
ストーリー
:NYで警官をやっていたエミール君は色々あって、現在はプエルトリコ(プエルト・リコ)で勤務していた。
そんなある日、カテゴリー5の巨大ハリケーンが接近。
嫌々勤務をしていたエミール君は、スーパーでキャトレットさんが肉を買い占めたんで他の客と揉めている現場に到着。
まあ、ともかく避難しろよ。ところで、なんで肉を買い占めたんだよ?
いや、うちのペットの餌として必要だったんだわ。それと、うちのマンション、避難してない奴がいてさぁ……
ってなわけで、エミール君と相棒の婦人警官は、嵐が直撃する中、キャトレットさんのマンションに向かうのでした。
ちなみに避難してない奴の一人はメル・ギブソンで、そんなマンションに強盗団が押し入ってくる……。
感想・バレ無し
:いやあ、タイトルだけで絶対B級ディザスターだわ! と映画館のポイントが切れるんで、そのためだけに観るかと行ってきたわけですが、意外や意外。
ちょっと面白かった。
これ、実は要塞警察、もしくは貧乏くさいザ・レイドみたいな映画なのよ。
外は豪雨で、無線は不通。強盗団は何人いるか判らないので大胆には動けず、安いマンションなので、こってりとしたコンクリの壁が延々とあって窓が少ない!
ちょっと強引だけど、納得はできる映画的な密室づくりね!
いや、勿論、傑作とかそういう類じゃなくて、50~60点の映画なのよ。
だけど、脚本がそつなくてですね、伏線の張り方も面白いんだよねぇ。(無理をしないで地道にやってるとも言う)
だから、最後まで一定の緊張感を持ったまま、エンディングに行くのは中々貴重だと思うのよ。
ちなみに残酷シーンは皆無!
銃が出てきて、人が撃たれて、あれやこれやなのに、間接シーンだけで酷いことが起きた! って演出しているんだから、地味に凄いんだよな。
これぞ正しいB級映画だと思う。
以下ネタバレ感想
強盗団が、殺害した老婆が持っていた絵画からナチの残党の遺産に辿り着くっていう筋と、恋人を誤射して殺してしまったエミール君が嵐で断絶されたマンション内で自信を回復していくっていう筋が、割と無理なくまとまっていると思う。
しかも、あまりくどくなくぱっぱっとこなしていくんだわな。
エミール君は風呂場で銃を咥えるくらいの躁鬱の激しい状態にあるんだけれども、銃撃され、メルギブの娘であるケイトさんと語らうことによって、心を揺さぶられて吹っ切れていく――ていうのを、ホントにあっさりと、説明を簡略化してやっていくのね。
で、まあ、その象徴が嵐でさ、全部を吐露して準備万端! ってなったところで、嵐の目に入って、陽が差してくるんだよ。
これがうまい。
ここで初めて主犯である超アゴのザヤっさんと会話するとことか、かなり王道で盛り上がるよなぁ。
ザヤっさんも、部下を次々と冷酷に切り捨て、でかい銃を振り回し、絵画の知識に精通しているっていう中々の悪役ぶり!(しかもアゴがでかい!額もでかいんで、すげー迫力がある!!)
メルギブは脇役ながらも、ちゃんと主筋のドラマの手助けをしつつ途中で退場するんだけども、流石メルギブ!
ケイトさんと額をつき合わせて、ふっと死んでいるっていう演技がね!
あの電池切れましたって感じ、うまいよなぁ!
踊り場で寂しく死んでいるっていうのも、今までメルギブがやってきた主役の老後みたいで、寂しくもあり、ちょっと厳かでもある感じがたまんねえっすなあ。
で、まあ、悪い点なんだけども
例えばザヤっさんの副官のメガネとか、入り口守ってた強盗団員とかの、その後の顛末語られずってのは、残念無念。二人とも、かなりおいしい死に方ができるキャラなんだけどなあ。
後は、マンションの構造を、もうちょっとだけ判り易くしてほしかったかな。
中庭を挟んで、回廊式になっていて、エレベーターが壊れているから、移動は階段と外に組んである足場ってのは良いんだけども、部屋の位置関係が判らんので、サスペンスが今一なんだよなあ。
あと、豪雨なんで、外に出た人達はもうちょっとずぶ濡れ感が欲しかったです。
ってか、カメラ前でシャワーやってます感が半端ねえ!
足場とか濡れてねぇしw
とはいえ、間違いなく予算が無い今作。
金が無いなら、脚本と演技でカバー!
節約したお金はメルギブのギャラと、ラストのキャトレットさんが飼っているペットに全てぶっこむぜ! ってのは大正解だったと思う。
個人的に、あのペットがホントに一瞬しか出ないってのが最高だった。(しかも黒ヒョウなのか、ピューマなのか、それとも未知の動物なのか全然判らんのが最高だった。私としては虎か狒々じゃないかとワクワクしてたのだがw)
あそこで、ザヤっさんが滅茶苦茶にされるのも観てはみたいけども、この映画の全体のトーンからしてばっさりカットで正解でしょう。
それと、近年話題になった、警察官による黒人差別問題が説教くさくなく、しかも無理やりぶっこまれたのじゃなく、中々面白いネタとして話に巧いこと絡んでるってのが非常に良い。
キャトレットさんは黒人で、警官に職質されまくり!
だから頭にきて、保護したペットちゃんを警官の制服を見たら襲うように仕込んで、憂さを晴らしていた、ってのが、彼の部屋のボロボロのマネキンで判るのね。
そこからのザヤっさんが、逃亡するために警官の服を奪うっていう超ニヤニヤ展開に行くわけですよ!
あとキャトレットさんが、さらっとナチめ、と爺さんに冷たい目を向けるところとかね。
結局、お前も見た目で差別してない? っていう、あのシーンは面白いよなぁ!
というわけで、劇場に行くほどでもないし、何よりディザスター映画じゃないんだけれども、ソフト化されて旧作になって暇潰しに観たら、意外といける映画だと思う。(残酷シーン皆無だし、メルギブが出てるから、テレ東で来年絶対やってると思うw)
機会があれば、どうぞ!!
以上!!