メモ:コトブキのエアポンプがそろそろ寿命であるが、エアレーションは自己満足の面が強いので、このまま放置でもいいような気がしてきた。
ボルケーノ・パーク 2019
監督:サイモン・ウェスト
主演:ハンナ・クィンリヴァン
↓これのネーヴ・キャンベルに良い一発をかまされるイカレ女テロリスト役!
ワン・シュエチー
ジェイソン・アイザック
ストーリー
:天火島という実に不穏な名前の島で、火山活動を調査中のワンさん一家。
だが、突然の噴火でワンさんは奥さんを失ってしまう。
時は流れて、天火島は火山テーマパークという、余にも珍な島になっていた。
パークの主であるジェイソンさん曰く
SNSで大ウケ間違いなし! だそうな。
そんなニュー天火島で、成長したワンさんの娘のハンナさんは火山学者の一員として働いておりました。
島全体を観測する、朱雀システムがようやく完成した日に、いきなりワンさんがやってくる!
ワンさん、自室で島の写真を見て異変に気付き*1、噴火するぞと娘を連れだしに来たのでありました。
しかし、ワンさんとハンナさんは長い間、関係が最悪の状態。
ちなみにハンナさんも山がおかしくね? と思い始めていたので、調査に出発。
パークへの出資者がモノレールで、ハンナさん一行がヘリで山頂に到着したその時、狙いすましたかのように噴火が始まった!!!
感想・バレ無し
:最初に言っちゃうと、この映画はバカ映画です。
ただ、バカ映画にも色々種類がありまして、例えば監督の視点が独特すぎておかしくなってる映画とか、サービスが過剰すぎておかしくなってる映画とか、予算が無さすぎておかしくなってる映画とか、まあ、色々あるんですよ。
で、そういう映画ってのは、観ていて
しょーがねーなーw
と笑顔で観れるわけですな。
で、この映画。
なんか、久しぶりに笑顔が強張ってくる映画でした。
細部はほっといて勢いでギュイ~ンっていう中身空っぽの映画が得意なサイモン・ウェストと、多分、ハリウッドのディザスター映画のパクリを入れてくれっていうどっかからの要望、うちのイケメン俳優は良い役でお願いします、っていうこれまたどっかからの要望、そしてそこそこ潤沢な予算が合わさって
実につまらない中途半端バカ映画になっております。
ダンテズ・ピークとボルケーノ、デイ・アフター・トゥモローを年一で絶対に観ているディザスター映画ジャンキーの私としては、義務として最後まで見ましたが、正直きつかった……。
エンドテロップでいきなり出てくるメッセージと相まって、イラっとさせられる映画です。
以下、ネタバレ感想
要は恐竜が火山に置き換わったジュラシックパークでございますな。
だからして、施設、登場人物等を紹介する中盤まではそこそこ面白いんですよ。
勿論、活火山の火口に上下に移動する展望台を設置とか、火山の周りにモノレールを張り巡らすとか、正気じゃ計画できないアトラクションの数々は苦笑いしか出てこないんだけども、まあ、そこは目を瞑ろう。
だけども、いざ火山が噴火し始めると、島の施設等の位置関係が全く判らないので、スリルもサスペンスも全く生まれなくてですね、村に火砕流が迫っているぞ! と散々ナビゲーターから言われているのに、結構時間が経ってから行っても、どうやら火砕流到達してませんっていうね。
で、ともかく逃げろってずんずん進むんだけども、ピンチになった時の対処の仕方がことごとく杜撰なんだわ。
モノレールが脱線して、数十メートル落下!
壁に窓にとぶつかりまくるワンさんとハンナさん、そしてオーナーの奥さん!!
無傷でした。
……はい?
ちなみにモノレールの窓は一枚も割れてませんでした。(その後、石で外から叩いたら、あっさり割れます)
更に言うと、斜面に落下して、勢いをつけて滑落しているモノレールを、四駆の体当たりで止めます。
……おお、もう……
他にも、地熱発電所のポンプを動かして、ダムから放流すれば火砕流が向きを変えるぞ! ってなもんで、発電所に行ったらマグマが発電所内に流れ込んでて、柱にくっつけられた『これを下げろ』的なスイッチの場所に行けない!
じゃあ、ドローンを突っ込ませて、発電所ごとぶっ壊せ!!
……は?
いや、ドローンが突っ込んだ時の破片で偶然スイッチ下がるけどさ
なんだそれ。
まあ、噴火してるのにダムが無傷で、水が澄んでるって時点で、色々言ってもしゃーないんだろうけどもね!
ってか、島の各所に設置したセンサーが、噴火で一つも壊れていないっぽくて、朱雀システムに終盤まできちんとデータが送られ続けてくるのね。
ついでに言えば、朱雀システムがある基地にも火砕流が迫ってるって話もしてたのに、島から脱出寸前に基地に行ったら、全くの無傷でさ
そこで暢気に親子仲直りのドラマとかぶっこんじゃうのよ!!
火砕流も火山弾も待ってくれてるけどね!!!
いや、こういう映画において、予算のあるなしにかかわらず立ち止まってドラマを繰り広げるっていうのは致命傷だと思うのね。
逃げながら、やれよ! って誰もが思うじゃない?
なのに、この映画、こういうの合計で三回ぐらいやるからね!?
早く村を救わねば! つった直後に高台で停車して、火山弾がボコボコ落ちてるホテル一帯を眺め(ついでにオーナーの妻にそれを見せ)
人の驕りがこれを招いた!
これは人災だ!
いやぁ……説教は構わないんだけどさ
一々、へったくそなんだよなぁ。
そんな調子だから、感動シーン(と思われるもの)も全部ひっどい。
職員カップルが祖父を助けに村に行くシーンなんて、誰もいない村に祖父だけが家の中でベッドに寝ていて、ホントに一瞬だけ脇腹に怪我をしてるような絵を見せて、べらべら喋って、いきなりぽっくり死ぬんだよ。
なんじゃ、そら。
タメが無いから、場当たり的でコントにしか見えねえよ!!
多分ね、職員カップルを、あの水泳シーンで殺しとくべきだったと思うのね。
逃げる面子が五人だと多いのよ。
だから、人数整理で、あの思いっきりダンテズ・ピークの温泉で死ぬカップルのパクリシーンでね、二人もしくは片方が退場する方が絶対良かったのよ。
そうなりゃ、その傷がドラマを連鎖的に生んでいくじゃないの?
でも、二人は無事。
ダンテズ・ピークからのシェイプ・オブ・ウォーターのパクリが始まったあげく、岩の上の貝殻に指輪を置いてプロポーズ(色んな意味でこのシーンは身悶えするほど酷い)、そして吸水口に吸い込まれそうになるも、あっさり助かり、最終的には傷一つ負わず生還。
いやぁ、溶岩が流れ込んでるのに、水は煮え立たないし、車が崖から釣り下がるシーンじゃあ、男の方がボンネットに乗ったままガンガン崖にぶつかってたけど、無傷!!!
ハハッ(ネズミー調で)
いや、良い所も勿論ある。
例えば、バイクの鍵に結ばれている奥さんのリボンとか、オーナーであるジェイソンさんの幸運の時計、そして死にざまとかお約束だけど、素直に良いねぇ! って思うのよ。
それと、火山灰による放電現象を真偽はともかく映像化したのも面白い。
あと最後のワンさんの大脱出ね!
あそこは死ぬほど笑ったわ!!
基地の前の大きな川を渡ると15分で港だけども何故かほっそい木の橋しかかかってない!
そんな川がマグマびたしに!!
ワンさんは殿を務めたが、橋が爆発!!!
取り残されてしまった!!!!
先に行け!
お父さーん!!
よろよろと基地に戻るワンさん――
万策尽きたかと思われたが……
カットが変わるや、バイクにまたがって火砕流からかっちょよく逃げるワンさん!!!!
いや、ギリギリよ?
でも、こういう専門家が自分の知識を総動員したうえで、滅茶苦茶な行動に出るシーンは燃える!!
ところで専門家で思い出したんだが
例えば、奥さんが死んだのは火砕流のような映像なんだけども高温の火山灰だったって言うのよね。
で、火砕流だ! っていって出てくるビジュアルが、ざーって流れてくるマグマなのよ。
ん?
そういうものなの?
まあ、マグマは傾斜とか条件が揃えば60キロくらいのスピードで流れたような気がするけど、平地でだだっ広い場所でってなると、ああはならないんじゃないかな?
まあ、ハッタリ映像としては良いんだけども、ちょっとでも、その伏線になる台詞が欲しかったなと。(ここの溶岩は粘度が――とかさ)
いや、こういう映画だからこそ、ちゃんとした考証と、そこからの飛躍が重要なわけであってさ、まるっきりでたらめでテキトーだとしたら、どうなんだそれってことになるぞ?
合ってんの、これ?(調べる気はゼロです)
つーわけでですね、ディザスター映画としては、極めて低クオリティ、ですかね。
CGは水準以上ですよ。
でもね? ディザスター映画における最重要要素のサスペンスがゼロなんですわ。
荒唐無稽の描写も、かったるいドラマも、火山から逃げるっていう一点において、簡略化して構成していけば、それなりのものには絶対なったはずなんですな。
(例えば、ジェイソンさんの奥さんとハンナさんを一つのキャラにすれば、人員整理もできるし、前の噴火の繰り返しとしてもドラマを構成できるしね。最終的に時計と子供の話と、お母さんの形見とも繋げられる)
ところが、できあがったのは
ピンチがドラマの終わりを待ってくれるという馬鹿な演出だらけの茶番だったというね……。
というところで、暇で暇でしょうがない、もしくはディザスター映画禁断症状が限界の人は観ても良いんじゃないでしょうか。なまじ前半が観れるだけに、後半のダメージが半端ないですけどね!
以上!!
いや、しかしね、一番イラっとするのはですね映画の最後のメッセージなんですよ。
『大きな試練は人を強くする
コロナウィルスと戦う戦士たちと
愛と希望を信じる全ての人達に捧ぐ』
いや……うん……(白目)
ちなみにこの映画は中国映画です。
*1:恐らく山体の変形に気づいたんだと思うけど、それについての説明なし! ちなみに島にいる科学者連中、全員気づいておらずww