メモ:ところで、いつになったら143分バージョンは出るんですかね?
シャイニング 1980
監督:キューブリック
原作:スティーヴン・キング
主演:ジャック・ニコルソン
ストーリー
:家庭内に問題を抱えた男、ジャック・トランスは、オーバールック・ホテルの冬季管理人として就職する。
彼の身をちょっと案じる、支配人のスチュアート・アルマン。
一方、彼の息子、ダニー・トランスは『かがやき』と呼ばれる才能を持つ超能力者であった。
そんな彼に、警告する同じく能力者のホテルのコック、ディック・ハローラン。
一方、妻役のシェリー・デユバルは監督のキューブリックに演技向上の為、精神的に追い詰められていた。
感想:バレ無し
圧倒的な冷たさと、パンパンに張りつめた風船のような空気感が常に緊張を強いて、こっちを脅迫してくる映画。
だからして、恐怖感というよりも、大きな物、凄まじい物を目の前にした畏怖みたいなものが、この映画から受けるメインだと思う。
つまりホラーとしてはぶっちゃけ怖くない。
純粋な怖さでは原作の方が圧倒的にかなあ。
とはいえ、原作信者としては、キングが怒ったという話は『単なる話題作り』なんじゃねーかなーと今でも思っております。
だって、いつ爆発するか判らない『癇癪』っていうのを、ちゃんと映像化してるんだもの。
以下、ネタバレ――って、もう、この映画のネタバレって言ってもねえw
はいはい、まあ結論から言えば、大変面白い映画なんですよ。
美術満点だし、ラストのオチも色々解釈できて良いですし、演技もキューブリックが無茶苦茶やったおかげで、役者陣みんな目が血走ってるしねw
特にダニーをやったダニー・ロイドは演出の所為もあるんだけど、内に籠る子供として中々の演技だと思うのよ。
で、まあ、不満点というならば
なんつーか中途半端。
原作ぶっ壊すなら、もっと壊した方が良かったんじゃないかなあ。
超常現象をジャックの妄想としても取れるやり方で映画を進めていくのは、良いと思う。
冒頭のダニーがトニーこと見えないお友達と話しているのも、予兆として見れるからね?
でもさ、ホテルに着いたらダニーが双子見ちゃってるんだよね。
いや、百歩譲ってそれは置いておこうか?
237号室の女はダニーとジャック、両方ともアレなんで見た。
OK、まだ大丈夫。
でもさ、クライマックスでダニーを探すウェンディが、ホテルの悪霊達をガッツリ見まくっちゃってるんだよね……。
なんか、ホラーとしてお客を楽しませないと、っていうキューブリックの妥協というか、うーん、まあ、この一連のシーンは絶対なかった方が良いと思うんだ。
そうすりゃ、最後まで筋が通った映画になったと思うんだけどねぇ……。
さて、原作との相違でございますが
まあ、別物なのよ、完全に。
で、まあ一番の違い所って言いますと、
やはりホテルが燃えないこと、ですかね。
原作だと
〇ダニーを追跡して、ジャックはボイラーの圧力を下げ忘れる。
〇ジャック、一瞬正気に返ってダニーに逃げるように言う。ダニー、拒否。
〇ホテル、ジャックの顔面を槌でぐしゃぐしゃに砕き、最後の良心の仮面を破壊。ジャックを完全に支配する。
〇ダニー、ホテルに「お前ボイラー圧下げるの忘れてるやん」と言う。
〇ホテル発狂。ダニーとハロラン、ウェンディ無事脱出。
〇ホテル、ボイラーに辿り付き圧を下げる。「やった! 勝った! 第三部、完!!」
〇ボイラー爆発。オーバールックホテル、大炎上。ジャック、勿論死亡。
まあ、キューブリック映画の要素は無いわなあw
だからして、鉄の箱に虫を入れてひたすらストレスを与え続けて経過を見るようなこの映画は、あのオチでいいんだと思います。
シャイニングってタイトルと、関係ないオチなんだけどね。