メモ:突如、Netflixで古い特撮邦画が大量に配信され始めて嬉しいが、担当の人、趣味に走りすぎじゃありませんかねw
透明人間 1954
監督:小田基義
主演:河津清三郎
土屋嘉男
三条美紀
高田稔
ストーリー
:銀座のど真ん中で白昼堂々、タクシーが急停車した!
慌てて走り寄ってきた警官や野次馬に、運転手は何かを轢いたと訴える。
果たして、衆目の中で、タクシーの下敷きになった遺体が出現!
彼の残した遺書から
これは自殺であり
彼が戦中に人体実験により誕生した透明特攻隊の生き残りであることが判明。
しかも遺書には、もう一人の透明特攻隊の存在が仄めかされていた!
そう、街頭テレビでそのニュースを眺めるサンドイッチマンである川津清三郎演じるところの南條がその人だったのだ!
彼はどん底の生活の中、目の見えない少女、そしてキャバレーの歌姫であるところの、三条美紀と交流を深めていく。
だが、その頃、透明人間を名乗る強盗団が出現!
南條の運命は、強盗団と交差してゆく……。
感想:バレ無し
後に東宝が送り出す変身人間シリーズの前身と呼ばれている作品。
いや、ずっと見たかったんだけど、中々買う踏ん切りがつかなかったんだよね。
いやあ、見れてよかった。
そしていずれ買おうw
特撮としては、微笑ましいシーンもあれば
ぎょっとする、かなり凄いシーンもあったりする。
モノクロ映画が功を奏したというより、モノクロを武器にした特撮という感じ。
お話し的には、後の変身人間シリーズと比べると薄口なんだけども、今のアメコミ、ダークヒーローものとしての要素もあり楽しめる人が多いんじゃないだろうか。
以下ネタバレ感想
河津清三郎って―と用心棒の馬目の清兵衛親分みたいな、ちょっと間抜けな貫禄ある悪役とか、こう重鎮みたいな役をやってる作品ばかり見てきていたんで、嬉しい衝撃。
母親がキリスト教徒だから自殺できず、さりとて大ぴらに生きるわけにもいかずという悲しいヒーローを、大袈裟にならずに目の演技でやり切る素晴らしさ!
(ずっとピエロの化粧をしているからね)
対する強盗団も、ホントに悪辣非道で、最後の対決に向けてきっちり盛り上がる!
とはいえ、目の見えない少女、キャバレーの歌姫、透明人間、ギャング団の繋がりが最初からあるってのはちょっとできすぎだ。
まあ、おかげでサクサク進むんだけども、時代のせいもあるのかもしれないが、せめて恋愛関係の話をきっちりやっててくれたら、最後にかなり泣けたんじゃないかなと思う。
まあ、やりすぎて『ガス人間第一号』みたいにギリギリの作品になっても困るんだけども、ちょっと惜しいよねえ。
特撮は、例えば透明人間(全裸)が乗ったスクーターが町中を爆走するシーンは、前の車と繋がっているワイヤーが、特撮ファンとしてもちょっと困るぐらいにはっきり見えちゃってて、まあ、時代だなぁと。
逆に、お約束の、メイクを拭うと顔が透明になってる描写は、多分黒い塗料を塗りたくって後からそこを加工してるんだなと判るんだけども、モノクロ映像と相まって、中々ショッキングな場面になっている。
なんか、ここすげぇんだよ。
へたすっとCGよりも生々しい。
そして変身人間シリーズと言えばの土屋嘉男。
今回は新聞記者で、事件を追ううちに、透明人間とバディを組むことになるという
中々おいしい役どころ。
狂言回し――に近いかもしれない。
ここら辺、もうちょっと膨らませれば更に活劇として面白くなったのかもしれないな、と。
とはいえ、ラストの追跡劇からの
ほぼ無意味な石油タンク大爆発
などのサービス精神満載なのは大変よろしい。
また、冒頭の部分が『美女と液体人間』の冒頭と似ていたりして、ニヤニヤできたりもする。
勿論、透明人間のお約束である
透明化の途中で、骨が見える
足跡で見つかって撃たれる
ってシーンもきっちり入ってるんですな。
ちゅーわけで、特撮ファンで未視聴のかたは、すぐにNetflixに入って見て欲しい作品。70分でサクッと見れるしね。
以上!