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マッド・ダディ

メモ:夏はあまり蕎麦を食わなかったので、冬はうどんを堪能しようと思う。

 

マッド・ダディ 2017

監督:ブライアン・テイラー

(一応)主演:ニコラス・ケイジ

セルマ・ブレア

アナ・ウィンターズ

ザカリー・アーサー

ランス・ヘンリクセン

 

ストーリー

昔はやんちゃしていたニコケイも今は二児のパパである。下の息子のザカリー君と今日も出勤前に遊んでいたが、ザカリー君の不意の一撃に

無言で睨みつけるニコケイ

が、すぐに笑顔に戻るニコケイ

「いや、まいった! でも次はパパが勝つぞ」とかなんとか良き父親な感じである。

一方、長女のアナさんはセルマ母ちゃんの財布から金を盗み話を全く言聞こうとしない

傷心のセルマさんは、昔の職場の良い感じの仲だった上司の元を訪れ、屈辱的な事を言われたことを思い出し車内で号泣!

一方、ニコケイも今の自分にいらだち、オフィスで絶叫!

そんな中、突然全米中の保護者達が自分の子供を殺し始める!!

 

感想:バレ無し

その昔アドレナリンという大傑作アホ映画がありまして、その監督がブライアン・テイラーマーク・ネヴェルダインだったわけで、こりゃ凄い男共が出てきたわいと思ったのですが、続くアドレナリン・ハイボルテージ

あ、こいつらすげぇ馬鹿だ

と気づきまして、更にその次のゲーマー

あ、こいつらの映画って初手でハマらないと苦痛以外の何物でもないわ

となったんですな。

で、ゴーストライダー2

うん、まあ、なんていうかいつも通り

だったわけで、さて今作はテイラーの単独監督作となりますが

意外や、テンション自体は一部控えめで、結構まとも?なホラー映画になってました。いや、ブラックコメディかな?

個人的には中盤のビリヤード台のくだりのニコケイ演説が凄く泣ける内容なので、大好きな映画だったりする。

逆に肝心の殺し合いは、割と単調だったりする。

一度は見てもいい作品だとは思う。

 

以下バレあり感想。

 

 

 

まあ、中年で漫画ファンならば永井豪先生の『ススムちゃん大ショック』を思い浮かべますわな。いや、私は永井豪先生の凄さは認めるし、結構読んでるんだけど

大っ嫌いなんですよ

理由は暗澹とした気持ちになるから。作者の狙い通りの心境になって、拒否反応が出てるわけですね。だから正しい反応だと思うの。

で、今作はそれに似ているようで似ていない

親は自分の子供以外に殺意を向けないのね。

これが中々面白い。

まあ、前半で散々ネタふりしてきた

本音での対話を極限まで突き詰めるとこうなるのよっていう、身も蓋もない話なんだけどもさ

なんとなく子供を殺す親の心情が判っちゃったりするのね。

この映画のすげぇ所は、親は完全に気が狂ってるわけじゃないのね。

子供に対するリミッターが(どうやらテレビからの毒電波で)外されちゃっただけなのね。

だから会話もできるし、ちゃんと子供に対する愛情もある

 

それでも、時々父さんたちはっ!

 

っていうラストのセリフの通り

いつでもだれでもどこにでもある話

なんですな。

だから、あのラストでいいのよ。

実は普通の状態と、そう変わってないっていう良いオチなんだよなあ。

 

さて、今作のニコケイはちょっと太っているんだけど

かなり絶好調だ

特に地下室に籠城した子供たち二人に対し、ドア越しにマザファッカ連発からの

マザーファッカー!!?

とちょっと語尾上げ気味に絶叫するシーンは爆笑必至

それと前述の地下のビリヤード台のくだりね。

中年男女、そしてお子さんがいる人はもれなく刺さる話であると思うけど

 

俺は昔、世界は思いのままだと思ってた

それが! 

こんなくたびれた中年の親父になるなんて思いもしなかったよ!

年収も下がった! 

尻も垂れて腹も出て、耳毛と鼻毛がすげぇ!!

俺は確かに隠れ家を作ってたよ!

畜生!! こんな人生に何の意味が……

 

という、ニコケイの半生を振り返ったような血を吐くようなセリフ!

もとはニコラス・コッポラって名前をルーク・ケイジってアメコミから拝借し、アカデミー主演男優賞をもらい、サターンフィルム(だっけか?)なんて映画会社を作って怪奇映画(シャドウ・オブ・ヴァンパイア! サスペクト・ゼロ)を製作し始めるも、アメコミファンすぎて浪費しまくりスキャンダルだらけという、こういきなり訃報が入ってもおかしくないんじゃないかっていうハラハラ感がある男なわけで、そのニコケイがこんなセリフを吐きつつフラフラになって泣きながらビリヤード台をハンマーでぶっ壊すシーンを見せられちゃあね?

こっちもちょっともらい泣きですよ

そこに寄り添って、あたしもねえ、と切ない表情をするセルマ・ブレア

そんな二人が悪ガキ二人に襲い掛かっても、何の不思議もないという妙な説得力!

いや、どこのご家庭だって似たような部分があるんじゃないって思わせる説得力!

そんな名シーンを全力でやり切ったニコケイに乾杯する映画でございます。

 

また出オチ感満載でニコケイの親父役でニコケイに襲い掛かってくるランス・ヘンリクセンエイリアン2のビショップばりにナイフでズカズカ刺してくるのも地味に素敵だ。

特に車に頭を突っ込んだニコケイの太ももの裏をズカズカ刺しまくるシーンの痛さは中々のもんである。

 

難点を挙げるなら吹き替えの音声だろうか。

なんだか割れて聞こえるのだ。

せっかくの明夫ボイスもちょっと台無しな感じがする。

というか、明夫さんの声もちょっと甲高いような……もうちょっと低めの方が良いような……ううん……。

 

というわけで、お暇なら見ても損はない――とは言い切れないんだよね。

先に書いた通り、ハマらなければ苦痛以外の何物でもない映画なんですよ。いや、他の映画だってそうなんだけど、この監督関連はそれが強いように思うのね。

 

ちゅーわけで、ややお薦め!

スプラッター度は低めだけど、子供と一緒に鑑賞は控えましょう!!

マザーファッカー!!?

 

以上!!