メモ:熱を出したら、一発アウトの状況はホントに怖い。
ヘルボーイ 2019
監督:ニール・マーシャル
主演:デヴィット・ハーバー
イアン・黒ひげ・マクシェーン
ジョヴォビッチ姉さん
ストーリー
:デルトロとロン・パールマンの黄金コンビが資金難で3をあきらめてから幾年月。
ひねくれ赤鬼ヘルボーイは、今日も今日とて超常現象相手に奮戦しておりましたが、そんな中、ジョヴォビッチ姉さん演じる、血の女王ニムエが復活!
ヘルボーイはいつもの如く、人間につくか魔物につくかという二択を迫られたりしますが、まあ、ね?
感想・バレ無し
:そうっすねぇ……私の立場としましては、前二作はDVDを所持、原作コミック日本版は友人から借りて何度も読んでおりますので、一応ファンの端くれなんですけども、うーん……前半、いや、大甘に言って中盤まではまあまあ面白い、かな?
だけど、後半の失速が半端なくてですね
あれ、終わり? ってくらいすぽーんって終わるんですよ。
デルトロ版と比べちゃいけないと思うんだけど、なんだかなあ。
ってか本編も『ちょい面白いシーン』が延々と続くような感じで、そこに過剰なまでのゴア描写がぶち込まれていてですね、ヘルボーイのファンは、そういうのは求めてないんじゃないかな、と思ってみたり。(いや、でも熱心なファンはまた別かもしれないんで、推測に留めておきましょうや)
まあ、制作中にいろいろ騒動があったようだし、何より監督がニール・マーシャルだからなあ。期待値ゼロで見ただけに思ったよりは、マシだったと感じてみたり。
以下ネタバレ感想
私はニール・マーシャルの作品が嫌いなんです。
ドッグソルジャー、ディセント、ドゥームズデイと見て
ああ、この人、話を進める為に設置したキャラへの愛情がゼロだわ
と感じちゃったのね。
だから、ドッグソルジャーの人狼も、ディセントの地底人も、ドゥームズデイのモヒカンも、ペラッペラの書き割りにしか見えなくてですね、普通そういう濃い脇役とか敵キャラは、見ているだけで楽しくなってくるもんなんだけど、この人に撮らせると、全然何も感じないのよ。
つまり、萌えキャラが作れない人なのね。
で、そんな人を、なんでアメコミ映画の監督に抜粋したのか?
これ、人事を担当した奴が圧倒的に悪いと思うんだが、結果から言えば、前半はニール(メンドいんで呼び捨て)にしちゃあ、頑張ってる。役者の好演もあるかもしれないけど、新ヘルボーイ、ダイミョウ、エクトプラズムパンチのアリスは見ていて楽しいのよ。
前半は。
だけど、中盤の目玉、巨人戦辺りから、段々キャラ描写が雑になってきて、っていうか三匹の人食い巨人だぜ? もっともっとキャラ付けして、面白くできたろうが! それがテキトーに暴れて、どたまかち割られて血がドロ~って……いや、そうじゃないだろ。もっと三匹の利点を生かした面白シチュエーションができたろう。ちょっとした町ぐらい襲わせろよ!
で、クライマックスのニムエ戦ですよ。
酷い。
いや、地獄の軍勢がぞろぞろ出て来たのは良かったよ?
でも出てきて、全員一回づつ特技を披露して一般人を殺したら、出番終了。
馬鹿じゃねーの?
そこはBRPDの他のメンバーをちらっと見せて、全面戦争状態の中、どこどこ人を殺さなきゃ駄目でしょう?
で、その中心で地球の命運をかけて、ニムエとやり取りするから盛り上がるわけで、ジョヴォ姉さんがエロイ感じで迫ってるだけとか、見てる方としてはどう感じろと?
ヘルボーイの最後の決断を促す手段は良かったよ?
でも、そんだけ?
首、ぽいーって……胴体は?
しかも尺が余ったのか、どっかに殴り込みしてエイヴ(しかも手だけ)出されてもさ、これ観てる奴は殆ど前作を見てるわけだから、出し惜しみする意味が判らん。
いや、ロブスターさんとのくだりは面白かったよ。
ってか、ああいうの、ヘルボーイが酒飲んで凹んでたりする、面白キャラ描写がアメコミファンが求めているものじゃねーの?
……という文句ばかりでてきてしまうのは如何なものか。
デルトロ版はクライマックスでちゃんと中ボス戦と大ボス戦をやっていて、それが一々カッコ良かった。シチュエーションもちゃんと変えていた。
でも、今回はグルアガッハが中ボスで、とどめはニムエで、ニムエ自身も話してるだけだからね、そりゃつまらんわな。
まあ、ニールが最終編集権をもっていないわけだから、彼ばかりに文句を言うのもアレだけど、ともかく、狙った客層とか盛り上げ箇所が完全に間違っている映画です。
多分『百鬼夜行』の話を基に作っているから、最後のバーバ・ヤガと話してるのは、不死のあの人(名前忘れた)だと思うんだけど、そういう細かい所で原作ファン向けのサービスをやっているのが、なんだか悲しい。
そんな映画でござった。
新ヘルボーイ自身は良かったんだけどなあ……。
うーん、でもやっぱりデルトロ版の3が観たかったなあ……。