メモ:そういやヘイトフル・エイトまだ見てなかった。なんか、おっさんになりますと2時間越えの映画どころか、90分越えの映画も見るのに一瞬ためらうようになっちまった……いや、嬉々としてサスペリアのリメイク(約3時間)とか、今回の映画(大体3時間)に行ったんだけどね。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド:2019
監督:タランティ~ノ
主演:レオ様 ブラピ
*当ブログでは名前の長い俳優は、適当な略称とか渾名になってます。
ストーリー
:ちょっと前にテレビの西部劇で人気者だったレオ様だが、
映画俳優への転向を図って、ゆるく失敗。
なんだか段々どん詰まりに向かっている状態で、思わず親友の専属スタントマンのブラピの肩にもたれかかって男泣き。
そんなレオ様をブラピは誠心誠意慰め、勇気づけるのであった……。
ちなみにハリウッドに引っ越したら、隣にシャロン・テートが住んでました。
感想:バレ無し
いやあ、これを今年見ちゃったのは大変不幸な事でして
もう、これ以上の映画は今年はであえんだろうなあ、と。
ともかく面白かった。
上映時間の長さも気にならず、なんならあと5時間ぐらいずっと
レオ様とブラピを眺めていたい気分でありました。
つまり、キャラと世界観が吃驚するくらいきっちり作ってあるのね。
画面に映ってない所まで色々セットを作りこんでそうなんだよねえ。
いや、手放しで褒める映画でないのは判ってる。なんなら、世紀の駄作じゃないかとも思う。
でも、しゃーない。面白かったんだから。
以下ネタバレ感想
いやあ、劇場クライマックスで大爆笑でした。
死亡フラグを次々と踏みながら、じっくりとそれを回避していく切れ者ブラピ。
ダメ役者と思いきや地力があって、やる時は躊躇なくやり切る超役者のレオ様。
そんな二人が、結婚を機に長年のコンビをお互い同意の元解消していくという切なさ大爆発のクライマックスに空気を読まずアホな理由で乱入するマンソンファミリー!
そんなアホどもが出くわしたのが、上記のような状況でメランコリックな一夜にヤクをキメてフワフワしているブラピ。そして犬種的に完全アウトな愛犬君。
もう、ね
こんだけ凄い勢いで短時間に死亡フラグを踏み抜きまくるキャラ始めて見ましたよ。こいつらバカだよね、と完全に笑わせに来ててさ、しかも元の事件知ってると、こいつらが吐く台詞や行動が一々徒労というか無意味になっていくのがまた痛快で!
しかもトドメとばかりにレオ様のオーバーキルが炸裂しちゃあ、涙流して笑うしかないんだよなあ。
人がひっでぇ死に方してんのに、笑っちゃうんだよ!
つくづく私はタランティーノの作風が好きなんだな、と。
その後に静かに入れてくる、最後の話とかね、なんかこう、おっさんをきゅんとさせるんですよ……。
いや、イングロの時のヒトラーと違ってですね、シャロン・テート殺害事件をハッピーエンドに捻じ曲げるっていうのは、反発する人が出ても致し方ないし、当然の反応だと思うんですよ。そういう意味で駄作だと言われても致し方ないわな。
でも非難覚悟で、いや、今まで積み上げてきた名声を最大限に消費してまで、甘ったるい理想のファンタジーハッピーエンドを提示してみせられちゃあ、素直に受け取るしかないなと思っちゃったわけです。(要はただのファンなんだな)
しかもレオ様とブラピのキャラが本当に魅力的でして、シャロン・テートの事件はあくまでも二人の友情の果てに辿りついたエンディングのおぜん立てに過ぎないのよね。つまりは別の事件でも全然かまわない。
じゃあ、なんでシャロン・テートかっていえば世界観を確立させるための要素、セットと同じってことなんじゃないかと。
セットだったら、忠実に再現するのもありだけど、細部を今の観客や、監督の理想に改造するのもアリなんじゃないかな、と思ってみたり。(とはいえ、ポランスキーは嫌がるだろうなあ)
個人的な名シーンは
レオ様が台詞忘れて
俺はもう酒を止める!
と言いながら酒に手を伸ばして自分に癇癪を爆発させるとこです。
あのシーンが全編アドリブらしいとどっかで読んだんだけど
それが本当なら『あなたは私が生きてきた中で最高の俳優よ』と私も呟いちゃいますね。そしてレオ様男泣き、と。